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夫婦の馴れ初め

私たち夫婦の始まりは、同じ職場で先輩と後輩として出会ったことからでした。
最初は仕事を通して話す程度の、どこにでもあるような関係でしたが、彼はいつもさりげなく気遣ってくれる人で、忙しい日でもふと心が軽くなるような言葉を投げかけてくれる、そんな温かさを持っていました。

やがて仕事以外でも一緒に過ごす時間が増え、彼の趣味であるユーフォーキャッチャーに付き合ったり、二人で夢中になってパズルを解いたり、休みの日には「ここ行ってみない?」といろいろな場所へ連れ出してくれました。
その度に、彼の表情や声や仕草から、私のことを大切に思ってくれていることが自然と伝わってきて、気づけば一緒にいる時間が何よりの楽しみになっていました。

気軽に話していたはずが、いつの間にか二人きりのデートが当たり前になり、彼の優しさに触れるたびに、「この人とだったら、どんな未来でも歩いていけるかもしれない」と思うようになっていきました。
そして3年の交際を経て、彼からプロポーズを受けたとき——
その頃、私のお腹の中には小さな命が宿っていました。

驚きと喜びが一度に押し寄せてきて、胸の奥がじんわりと熱くなったのを覚えています。
新しい命と、これから始まる新しい家族としての生活。そのどれもが不安よりも幸せのほうが大きくて、迷うことなく「お願いします」と返事をしました。

それからほどなくして入籍し、周りの祝福に包まれながら結婚式を挙げました。
ドレスの裾をゆっくり揺らしながら、隣に立つ彼の手を握った瞬間、これまでの思い出が一気によみがえり、「この人と出会えて良かった」と心から思いました。

あの日の気持ちは、今でも私の中で大切に息づいています。
先輩と後輩だった二人が、いつの間にか家族になり、そしてお腹の子と3人で歩み始めた物語——それが、私たち夫婦の馴れ初めです。

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